カレンデュラを使った製品を作るメーカーはたくさんありますが、私が主に使用しているのは、日本豊受自然農とヴェレダのものです。日本豊受自然農は、国内2ヶ所にある自社農園で、無農薬、無化学肥料の完全自然農法で、カレンデュラやほかのハーブ、農作物を育て、それらを自社製品の原材料にしています。この会社のほとんどすべてのオーラルケア、ボディーケア、ヘアケア、フェイスケアの製品にカレンデュラが使われ、さらに、カレンデュラを加工した食品も製造しています。
この会社ではカレンデュラの薬効を重視するため、生のカレンデュラの根から花までの全草をアルコールに漬け込んだものを原材料として使用しています。また、この会社の製品の特長として、ほとんど香りがしないか、あっても微香ということです。なおこのメーカーの社名の豊受というのは、日本古来からの食物、穀物の女神、豊受大神からきています。
一方ヴェレダは、シュタイナー教育で有名なルドルフ・シュタイナーの提唱したバイオダイナミック有機栽培農法(通常バイオダイナミック農法という)やその他の有機農業の方法で育てた植物を自社の製品の原材料として使用しています。バイオダイナミック農法で育てた植物や作物は、世界中で認められた有機農業の認証の一つ、デメターという認証を与えられています。また、この会社の化粧品は、オーガニックコスメのNatrue(ネイトゥルー)という国際認証も得ています。
ヴェレダは様々な植物を使用した製品を作っていますが、中でもカレンデュラを使った赤ちゃんから大人まで使えるラインがあり、ボディケア、フェイスケア、オーラルケア、バスケアまで充実した品ぞろえです。(注:ヴェレダはドイツ語圏の会社なので、カレンドラという表記を使用しています)製品の特長として、香りが強いという事があげられます。これは、人工的な香料ではなく、自然の香りです。カレンデュラ自体は、強い香りを発するということはないのですが、製品に加えられた様々な香料や精油が華やかな香りを放っています。
また、ヴェレダはヨーロッパで自然医薬品のメーカーとして、カレンデュラの軟膏やその他の製品も作っています。イギリスではホメオパシーのレメディー(タブレット形状のもの)も製造販売しています。そして、社名のヴェレダは、古代ゲルマン人の女性司祭にして治療家のVeledaからきていて、デメター(デーメーテール)というのは、古代ギリシャの大地と豊穣の女神のことです。日本、ヨーロッパの双方の会社が、古代の農業に関係ある女神とつながっているのは、面白いですね。
それでは、私が実際に使用してみたカレンデュラ製品の感想を述べていきます。
1.日本豊受自然農
日本豊受自然農の出している化粧品は、生草花シリーズと名づけられ、原材料はすべて自然農業(この会社では、有機農業という言い方をしません)で育てられた植物や、天然由来成分100%のもので、パラペンフリー、石油由来成分不使用です。香りがないか、あっても微香のため、ホメオパシーユーザーには、安心の製品です。(ホメオパシーでは、ミントなどの強い香りは、レメディーの効果を損なうといわれています)
乳液: 生草花 乳液
一年中使える乳液です。カレンデュラ以外にも、いろいろなハーブ、ヘチマ水が使われています。さらっとした感じでべたつきません。添加物が入っていないので、安心安全に使用できます。
美容液: 生草花 天草ジェル
C普通肌用、R 敏感肌用、Tu乾燥肌用の三種類があります。天草を原料とする寒天が入っているため、海からのミネラルがたくさん入っています。私は、Cを春、夏、秋に使い、Tuを冬に使っています。油っぽさはまったくなく、よく潤うため、夏は化粧水とCだけでOKかな、という感じです。
化粧下地: 生草花 化粧下地(日焼け止め入り)
なんとこの下地には、チタンとか酸化亜鉛等の金属系の紫外線錯乱剤は、一切使われていません。代わりに天然鉱石マイカやシリカ等が使われ、SPF10くらいの効果があります。一年中安全に使えます。ただ、真夏の強い日差しの時は、この下地の上にSPF値の高いファンデーションをぬったりしています。
クリーム: スパジリッククリーム
このクリームには、Cすべてのお肌のレスキュークリーム、G唇などにも使える、R敏感肌用、Tu乾燥肌用の4種類があります。ミツロウがはいっているので、かなりこってりしています。また、開封したら早めに使い切ったほうがいいです。長期間置いておくと、香りに変化があるような気がします。我が家では、母がカイロで低温やけどをした時に、Cクリームを塗って乗り切りました。
オーラルケア: スパジリックトゥースペースト
添加物不使用の安心安全な歯磨きペーストです。あまり泡立たず、ミントなどが無添加のため、味も強くなく刺激もないので、もう絶対に手放せないものです。
ヘア&ボディケア: 洗髪と洗身
髪と体の両方に使えます。ポンプ式なのでハンドソープとしても使えます。あまり泡立ちませんが、すっきりとした使い心地です。ほのかにパチョリの精油(抗炎症作用と殺菌消毒作用がある)の香りがします。
以上が、日本豊受自然農の製品で、私が実際に使用しているものの個人的な感想です。注意しなくてはいけないのは、すべての製品にホメオパシーのレメディーが入っているので、電磁波は避けたほうがいいような気がします。(皮膚の弾力を保ってくれるレメディーも入っているみたいです)そして、私が個人でやけどに使用したのは、内容物に対する認識を踏まえたうえで、個人の責任で行ってのことです。あくまでも個人的な感想であり、効果を述べたり、他の方に同様の効果を保証するものではありません。
2.ヴェレダ
ヴェレダの製品の多くは、華やかな香りが特徴です。この香りは合成の香りではなく、製品に加えられた原材料の自然な香りです。カレンデュラを使用したカレンドラベビーケアシリーズというラインがあります。
フェイス用クリーム: カレンドラベビーフェイシャルクリーム
乳液とは違い、ちょっと固めのクリームです。香りは強いです。つけると肌をしっかり守ってくれる感じがします。
ボディケア: カレンドラベビーミルクローション
ボディ用の乳液です。香りづけにシトロネラやゼラニウム等のいろいろな精油が入っています。赤ちゃんから大人まで安心仕様で、また、たっぷりサイズなので、家族全員で使えてコスパ大だと思います。
オムツケア: カレンドラベビーバーム
赤ちゃんのオムツまわりの肌荒れを防ぐおしり用クリームです。固めのクリームで、塗ると白っぽくなります。それが皮膚を守るのに役立っている感じがします。赤ちゃんだけでなく大人にも使えます。我が家では老人に使用しました。オムツケアには、これと後述するカレンドラケアクリームの2本があれば、バッチリだと思います。ただひとつ疑問の点は、クリームをつけた肌の上にオムツをつけたら、クリームがその中に吸収されて効果が半滅しないのかということです。最近のオムツは、吸収したものが逆戻りしない作りになっているので。この点は、よくわかりませんでした。
オーラルケア: 歯磨き カレンドラ
フェンネルのやさしい甘い味で、これも味的にはまる歯磨きです。泡立つ添加物が入っていないので安心です。子供から大人まで、誰でも使えます。また、ミントなどの強い刺激臭のある香りが使われていないという事で、ホメオパシーユーザーにもおすすめです。
クリーム: カレンドラケアクリーム
これは本当にすごい万能クリームです。ネットの通販サイトのレビュー欄に続々と賞賛の声が書き込まれていますが、私が使用した感想もまさにそのとうりです。日本では医薬部外品の扱いとなり、「肌荒れを防いで健やかに保湿」という説明がなされていますが、この製品が自然医薬品と認可されている国では、ちゃんとその効果が表示されています。カレンデュラの持つ傷を癒す効果が詰まったようなクリームで、我が家では、ごく小さな切り傷、擦り傷、何にでも使っています。また、オムツで真っ赤になったお尻や尾てい骨に塗ったりすると、一晩できれいに回復します。なので、赤ちゃんから介護の必要な様々なオムツユーザーに、本当におすすめだと思います。
また、虫刺されにも効果があります。ある初夏の時期、私は、体中あちこちダニに噛まれまくり、搔いたら真っ赤になるという大惨事に見舞われたのですが、このクリームを塗りまくったら、一晩で赤みがすべて消えました。(ただし、痒みには効きません。虫刺されの痒みに効くのは、こちらですが、残念ながら、日本では未発売です)まさに、一家に一本必需品といっていいくらいのレベルだと思います。ただし、日本の暑い夏の高温時には、そのまま置いておくと危ういかんじなので、我が家では、(自己責任で)冷蔵庫に入れて保存しました。(このやり方は、推奨されていません)
このクリームは、強い香りはしません。また、注意しなくてはいけないのは、もし海外で購入した場合、販売国によって、成分が微妙に違っていたり、子供の使用禁止年齢が違っているということです。(例えば、よちよち歩きの子供に使用禁止とか、6歳以下は使用禁止とかいろいろあります)なので、日本の公式ホームページの表示をチェックするのが一番いいと思います。
以上がヴェレダ製品を使用してみた感想です。カレンドラベビーケアシリーズのお試しサイズのものがあるので、最初にそれを使ってみるのもいいかもしれません。
次に、2つの会社以外の製品について述べていきます。
3.ロゴナ
リップケア: リップクリーム キャレンデュラ
ロゴナはドイツの代表的なオーガニックコスメブランドです。製品はヴェレダと同じくオーガニックコスメの国際認証ネイトゥルーを得ています。私はここのリップクリームにたどり着くまで、様々な製品を使いまくったリップクリームジプシーでしたが、これに出会ってからジプシー生活も終えることができました。1年中愛用しています。ただ、ひとつ残念なのは、以前は、容器の下半分がオレンジ色だったのに、グレーに変更されてしまったことです。オレンジ色のカレンデュラの花を象徴するような色だったのに、残念な気がします。
4.ホメオパシージャパン
日本を代表するホメオパシーのメーカーです。多くのレメディーやマザーティンクチャー等を製造販売していますが、それらの原材料に、自社の農園で無農薬、無化学肥料の完全な自然農で育てられたものも使われています。そのなかで、私がいつも使っているカレンデュラ関連のものは、次の2つです。
マザーチンクチャー: カレンデュラ (この会社では、チンクチャーという表記を使用しています)
自社の自然農法の農園で栽培している生のカレンデュラを薬効をを重視するため、根から花までアルコールにつけて作っています。こうしてカレンデュラからの薬効成分が抽出されたアルコールをホメオパシー医学では、マザーティンクチャーと呼んでいます。
ビンのサイズは、数種類ありますが、一番小さい20mlがトライアルとしておすすめです。他に、10mlのスプレータイプがあります。使い方としては、症状でやり方が異なってきます。マザーティンクチャーの解説本によると、カレンデュラは、傷を癒したり、抗菌作用があるので、消毒、殺菌に使用できます。例えば、“歯茎から血が出ている時に、カレンデュラを水に数滴たらし、うがいしてそのまま飲み込んだりする”といいそうです。私はのどがイガイガする時に、カレンデュラ水でうがいをしたり、外出先ではスプレータイプのものを持ち歩いて、のどにシュッとスプレーしています。
また、入浴の際には、20滴くらい、もしくは、キャップ一杯のカレンデュラを湯船に入れています。身体が温まり、疲れが解消される感じです。おすすめの点は、お風呂に入れても香りがしないし、お湯も濁らないという事です。日本では、家族も次に同じお風呂のお湯につかるということがありますが、次に入る人が香りや濁り湯が好きでない場合でも、これを使えばOKです。
注)この製品は、日本の法律に従い、お酒類という事になっています。
引用: 「ハーブ・マザーチンクチャー」 由井寅子著 ホメオパシー出版
ホメオパシーレメディー: カレンデュラ
ホメオパシーのレメディーは、原物質を天文学的数値になるまで水で希釈浸透して作り、それを小さな砂糖玉にしみこませた物です。この会社のレメディーの原材料の砂糖は、完全オーガニックで、非遺伝子組み換えのものを使用しています。カレンデュラのレメディーのテーマは、“引き裂かれた身体の傷を癒す”で、“消毒薬を使用しないホメオパスにとって画期的な内外の消毒レメディー”ということです。私は以前、指を切り5針縫った時、病院から化膿止めとして大量の抗生物質を出されたのですが、抗生物質を取ると必ずお腹をこわすので、(自己責任で)代わりに、このレメディーを取りました。完全に治るまでに一月以上かかったのですが、何の問題もなくきれいに治りました。
注) 日本の法律では、日本で製造しているホメオパシーのレメディーは、医薬品ではなく食品に分類されています。
引用: 「ホメオパシー in Japan」 由井寅子著 ホメオパシー出版
5. ヒーリングハーブス
レスキュークリーム: ファイブフラワーナチュラルクリーム
ヒーリングハーブスはイギリスのバッチフラワーエッセンスの製造会社です。イギリスには2社以上バッチフラワーエッセンスを作る会社がありますが、こちらはウェールズにある会社です。他の会社の出しているレスキュークリームのこの会社ヴァージョンという事です。名前はファイブということですが、実際には、6つのエッセンスが入っていて、カレンデュラも配合されているクリームです。使用感は、脂分が入っていないので、全然べたつきません。効果はある意味絶大で、お腹が痛い時に塗ると、腹痛が消えたりもします。私は以前、お友達にこれをプレゼントして、「生理痛とか腹痛にも効くよ」と教えてあげたところ、彼女も「本当にすごく効いた!」と絶賛していました。カレンデュラとレスキューのエッセンスの両方が入っている最強のクリームのひとつです。
6.FES
フラワーエッセンス: カレンデュラ
FES(Flower Essence Society)はカリフォルニアのフラワーエッセンスのメーカーです。私がいろいろ使用した感想として、この会社のエッセンスはすぐに大きな変化が起きるとか、そういうドラマチックなのはないです。気づきがゆっくりじわじわ現れるという感じです。この会社のシャスタデイジーというエッセンス(これもキク科)を1か月くらい取って、いつもの帰り道を小高いところから眺めていたら、「人生は道なんだと気づいた」ということがありました。そして、カレンデュラのエッセンスはというと、このメーカーのハンドブックに “書き言葉や話し言葉の想像力を高め、ことばによるコミュニケーションの大切さを教えます。特に、看護、教育、カウンセリング、文筆業などの仕事に従事している人には貴重なエッセンスです。”と書かれています。私は以前、ちょっとだけ教育関係の勉強をしていた時に、このエッセンスを取ってみました。劇的な効果があったというよりも、無事にそれを終えられたので、そういう意味で効果があったと思っています。
引用: 「フラワーエッセンスハンドブック」フラワーエッセンス普及協会
7. ヒリオス(Helios)
クリーム: カレンデュラ
ヒリオス社はイギリスのホメオパシーメーカーです。ヒリオスというのは、太陽神アポロンの別名からきています。レメディーからクリームまで、多くの製品があります。カレンデュラクリームも出していて、カレンデュラだけとか、ハイペリカム(セントジョンズワート)、グラファイト(黒鉛)入りというものもあります。カレンデュラクリームの中には、ラベンダーの抽出成分も入れられていてパワーアップしている感じがします。まったくべたつかないので、使いやすく、カレンデュラのケアクリーム的な使い方をすることができます。クリーム類のパッケージのイラストがとてもかわいくて趣があり、そのデザインがずっと変わらないところもうれしいです。日本では、カレンデュラだけのクリームがネットで買えます。イギリスの本社や他のオンラインショップ等から取り寄せできます。(ただし、日本では、カレンデュラ以外は、許可されていないので、あくまでも個人使用に限ります)
グラファイト(黒鉛)入りのカレンデュラクリームのパッケージです。この組みあわせがシュールかわいいデザインです。カレンデュラの花の下のほうにあるのがグラファイトです。肌のひび割れ用です。左右に太陽のマークが描かれています。
8.カレンデュラを使った食品
ここまで、コスメとか、クリーム、メディカル関係の製品について述べてきましたが、最後にカレンデュラを使用した食品についての感想を述べてみます。
ハーブティー: バイタルハーブ/カレンデュラ
バイタルハーブ:これも日本豊受自然農の作っているものです。自分史上最強のハーブティーです。北海道の自社農園で作っている10種類のハーブをブレンドしています。カレンデュラも入っていて、オレンジ色の色どりを与えています。この名のとうり飲むと元気になる感じです。また、甘さとさわやかさのバランスの取れた絶妙のブレンドで、飲みやすいです。
カレンデュラ: ハーブティーにすると、まさにキク科のザ・カレンデュラという感じの味です。個人的には、他のハーブをブレンドするのがおすすめです。
なお、このブログ内に掲載した乾燥カレンデュラと乾燥ホーリーバジルの写真は、この会社の製品です。
全粒粉クッキー: カレンデュラ
これも、日本豊受自然農のものです。バター、牛乳不使用で、農林61号の全粒粉で作ったクッキーにカレンデュラのドライフラワーが入っています。アレルギー対応で、オメガグリアジンフリーのクッキーです。クッキーひとつの直径が大きくて、5センチくらいあります。また、甘味が強くないので飽きない美味しさです。なお、本の紹介ページにも掲載したカレンデュラクッキーは、この会社の製品です。
そしてさらに、続々と新製品が開発されています。カレンデュラを発酵させて作ったお酢とか。“す”っごーいですね!まだまだ目が離せません。
以上がカレンデュラを原材料として製造されたコスメ類から食品まで、様々な製品の感想です。私が、これらの製品をケア目的で使用したのは、内容物に関する認識を踏まえたうえで、個人の責任で行ったものであり、製品に関しての記述は、あくまでも私の個人的感想にもとづいたもので、効果を述べたり、他の方に同様の効果を保障するものではありません。また、副作用など起きたとしても、その点は責任を負いかねますのでご了承いただきたいと思います。また、ホメオパシー関連の製品ですが、海外で認可されている国々とは違い、日本では、医薬品ではなく、食品に分類されているものもあります。これらの製品に関した記述は、伝統的かつ、一般的なハーブ療法やホメオパシー療法でいわれていることをふまえ、私の個人的感想に基づいて書かれています。また、カレンデュラはアレルギー物質に指定されていないのですが、同じキク科の花では、カモミールで花粉症を引き起こしたというケースもあるということを付け加えておきます。